山東菜について

山東菜とは

中国山東省を発祥の地とする白菜の一種で、白菜の様に結球せずに葉が開く形で育ちます。
かつては漬物用の野菜として関東地方で作られておりましたが、農家の高齢化と収穫が重労働になることから生産者が減少し、現在となっては主に埼玉県の一部で生産されています。  
生産農家が少ないため収量が少なく、今では東京の足立市場で年末の10日間しかセリが行われない為、幻の野菜となっています。  
原菜は冬場の霜にあてて甘味をのせた後、5kgほどに成長させてから収穫されます。  
生命力のある野菜であるため、収穫せずに残しておくと10kg近くまで成長するそうです。
ジャキジャキとした歯ごたえが特徴となり、主に漬物用の野菜として使われますが鍋物の具材として使っても非常においしい野菜です。  
東京近郊において、ご家庭で漬物を漬けられていた年配の方々にはなじみのある野菜となり、12月から2月くらいまで漬物として食べられていた冬の味覚でした。

山東菜の歴史と用途

中国ではしっかりと乳酸発酵させた山東菜を主に鍋の具材として使うそうです。乳酸菌が増えて出た酸味を調味料のように使用し、さっぱりとした味付けのようにしたお鍋というのも大変美味しそうです。

日本には明治の後半に移入され、東京の足立や葛西等で盛んに栽培されていました。
冷蔵庫がまだ普及していなかった昭和初期~中期ごろまでは、各家庭の冬の常備菜にするため漬物として食べられていたそうです。

しかし、都市化が進んだ現在では、栽培に手間がかかるのと収益性に優る白菜に押され、山東菜は市場にはあまり出回らくなってしまいました。  
漬物をご家庭で漬ける方も次第に少なくなり、今では一部の地域で栽培されるだけになっています。

近年では若取りされた山東菜がスーパーなどの店頭に並ぶこともあるようです。くせが無く、サラダ菜のように使ってみたり、炒め物にしてもおいしくいただけますが、やはり大きくなるまでしっかりと育て、漬物に使うのが最もおいしく食べれる方法であると私たちは考えております。

収穫作業も大変です。

山東菜と白菜の違い

山東菜は白菜の様に結球せず、半分広がりながら成長する漬物用にされる野菜です。
形や大きさももちろんのこと、栄養成分も違います。(下記参照)
白菜にも様々な品種があるため、味や食感については私の個人的な感想が入りますが、山東菜の方が白菜よりも味がやや濃いと感じています。また、山東菜は葉っぱ1枚1枚の厚みが白菜よりも厚く、繊維もしっかりしている為、煮物にしても、漬物にしても白菜よりも食べごたえがあります。特に漬物にした場合はジャキジャキとした歯ごたえとなり、白菜の漬物では出せない深い味わいを出すポイントの1つとなります。

上の段が白菜。外葉をむくと、スーパー等でおなじみの姿になります。

山東菜(左)の方が色が淡く、葉もしっかりしています。

白菜より栄養値が高い

白菜との栄養比較

100g中に含まれるデータ(単位) 野菜類/ 山東菜/葉、生 野菜類/ 白菜/結球葉、生
カリウム(mg) 360 220
カルシウム(mg) 140 43
βカロテン(μg) 1200 92
βカロテン当量(μg) 1200 99
レチノール当量(μg) 96 8
ビタミンK(μg) 100 59
葉酸(μg) 130 61
食物繊維総量(g) 2.2 1.3

(5訂栄養成分表より抜粋)  


白菜・山東菜ともに成分の約95%は水分でありますが、山東菜は白菜より原菜の持っている力が強く、栄養価も高いと言えます。

 

埼玉県深谷市の飯野農園にて(平成26年11月27日)
生産者の飯野夫妻(左)と阿波屋商品部長鎌田(右)